(1) 極長鎖脂肪酸分析
C26 :0 ,C 2 5 :0 ,C 2 4 :0 などの極長鎖脂肪酸の増加を認める。血清スフィンゴミエリン,血漿総脂質,赤血球膜脂質などを用いて分析する。極長鎖脂肪酸の蓄積の程度と臨床病型の間には相
関性はない。女性保因者の約80 %で極長鎖脂肪酸の増加を認める。
参考値(血清スフィンゴミエリンC26 :0 /C 2 2 :0 )
| 小児型ALD |
0.0260 ±0.0084 |
(n=47 ) |
| 正常コントロール |
0.0056 ±0.0013 |
(n=710 ) |
(2)画像診断(頭部MRI ,頭部CT )
小児型,思春期型,成人大脳型では,大脳白質の脱髄部位に一致して,CT では低吸収域,MRI T2 強調画像では高信号域を認める。病変の分布は後頭葉白質,頭頂葉白質の側脳室周辺部,脳梁膨
大部が多いが,稀に前頭葉白質から脱髄が始まる例もある。AMN 及び小脳・脳幹型では錐体路, 小脳,脊髄小脳路の脱髄を主体とする。活動性の脱髄病変のある部位では,ガドリニウムにより
造影効果を認める。
(3)神経生理学的検査
聴性脳幹誘発電位(ABR )では,
−
波間潜時が延長することが多い。体性感覚誘発電位(SEP
)及び視覚誘発電位(VEP )も異常を認めることが多い。末梢神経伝導速度も軽度低下を 認めることがある。
(4)副腎機能検査
臨床的に無症状でも,ACTH 高値やrapid ACTH 試験で低反応を認めることがある。
(5)遺伝子解析
ALD 遺伝子の変異は多彩で,病型と遺伝子変異には明らかな相関は認められていない。同一 の変異を有していても異なる臨床病型を示すことはよく経験される。
(6)病理所見
病理変化は中枢神経系と副腎であるので,生前の診断には役立たない。大脳白質の脱髄,グリ オーシス,血管周囲の炎症細胞浸潤が強いことも本疾患の特徴。
副腎では皮質細胞の膨化,進行期には著明な萎縮を認める。大脳白質マクロファージ,副腎皮質 細胞,末梢神経シュワン細胞に松の葉様の層状構造物を認める。この構造物は極長鎖脂肪酸を有
するコレステロールエステルを含むものと推定されている。