1.主要症状
(1)一般検査所見
血液検査:一つ以上の有形成分の減少を示す(骨髄像では幼若細胞の相対的増加を伴うことが多い)。
肝機能検査:正常から高度異常まで重症になるにしたがい障害度が変化する。
内視鏡検査:しばしば上部消化管の静脈瘤を認める。門脈圧亢進症性胃症や十二指腸、胆管周囲、下部消化管などにいわゆる異所性静脈瘤を認めることがある。
(2)画像検査所見
超音波検査,CT 、MRI 、腹腔鏡検査
1.肝静脈の主幹あるいは肝部下大静脈の閉塞あるいは狭窄が認められる。超音波ドプラ検査では,肝静脈主幹やや肝部下大静脈の逆流ないし乱流がみられることがあり、また肝静脈血流波型は平坦化あるいは欠如することがある。
2.門脈本幹、肝内門脈枝は開存している。
3.脾臓の腫大を認める。
4.肝臓のうっ血性腫大を認める。特に尾状葉の腫大が著しい。
下大静脈、肝静脈造影および圧測定
1.肝静脈主幹あるいは肝部下大静脈の閉塞や狭窄を認める。肝部下大静脈閉塞の形態は膜様閉塞から広範な閉塞まで各種存在する。
また同時に上行腰動脈、奇静脈、半奇静脈などの側副血行路が造影されることが多い。著明な肝静脈相互間吻合を認める。肝部下大静脈は上昇し、肝静脈圧や閉塞肝静脈圧も上昇する。
(3)病理検査所見
肝臓の肉眼所見:うっ血性肝腫大、慢性うっ血に伴う肝線維化、肝実質の脱落と再生、まれにうっ
血性肝硬変の所見を呈する。
肝臓の組織所見:肝小葉中心帯領域の肝類洞の拡張や線維化、あるいは 肝小葉の逆転像(門脈域が中央に位置し幹細胞集団がうっ血帯で囲まれた像)の形成など、慢性うっ血変化を認める。
(4)診断
主に画像検査所見を参考に確定診断を得る。二次性バッドキアリ症候群については、原因疾患を明らかにする。
【参考事項】
肝静脈の主幹あるいは肝部下大静脈の閉塞や狭窄により門脈圧亢進症に至る症候群をいう。重症度に応じ、易出血性食道・胃静脈瘤、異所性静脈瘤、門脈圧亢進症性胃症、腹水、出血傾向、脾腫、貧血、肝機能障害、下腿浮腫、下肢静脈瘤、胸膜壁の上行性皮下静脈怒張などの症候を示す。多くは慢性の経過をとるが、急性閉塞や狭窄を起こりうる。
原因の明らかでない一次性バッドキアリ症候群と原因の明らかな二次性バッドキアリ症候群とがある。二次性バッドキアリ症候群の原因として肝癌、転移性肝腫瘍、うっ血性心疾患などがある。
【特定疾患治療研究事業の対象範囲】
特定疾患治療研究事業の対象は、主に画像検査所見において、肝静脈の主幹、あるいは肝部下大静脈の閉塞や狭窄を認め、門脈圧亢進症性所見を有する症例とする。