【原発性肺高血圧症
(特定疾患治療研究事業における認定基準
平成15年6月18日厚生労働省健康局疾病対策課長通知)
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 ◇原発性肺高血圧症の診断の手引き

原発性肺高血圧症は,本来,原因不明の肺高血圧症に対する臨床診断名である。その診断根拠と しては,

肺動脈性(又は前毛細管性)肺高血圧及び/又は,これに基づく右室肥大の確認。
その肺高血圧が原発性であることの確認が必要である。

1. 肺動脈性肺高血圧及び/又は,これに基づく右室肥大を示唆する症状や所見
(1)主要症状及び臨床所見
息切れ
疲れやすい感じ
労作時の胸骨後部痛(肺高血圧痛)
失神
胸骨左縁(又は肋骨弓下)の収縮期性拍動
肺高血圧症の存在を示唆する聴診所見
音の肺動脈成分の亢進,音の聴取,肺動脈弁弁口部の拡張期心雑音,三尖弁弁口部の収 縮期心雑音

(2)検査所見

胸部X 線像で肺動脈本幹部の拡大,末梢肺血管陰影の細小化
心電図で右室肥大所見
肺機能検査で正常か軽度の拘束性換気障害(動脈血O2 飽和度はほぼ正常)
心エコーにて右室肥大所見及び推定肺動脈圧の著明な上昇
腹部エコーにて肝硬変及び門脈圧亢進所見なし
頸静脈波でa 波の増大
肺血流スキャンにて区域性血流欠損なし(正常又は斑状の血流欠損像)
右心カテーテル検査で
(a) 肺動脈圧の上昇(肺動脈平均圧で25 Hg 以上)
(b) 肺動脈楔入圧(左心房圧)は正常(12 Hg 以下)

2. 原発性を推定するための手順

原発性肺高血圧症においては,ときに赤沈亢進・γ グロブリン値の上昇・免疫反応の異常を認めることがあり,稀に関節炎・レイノー現象・脾腫などをみることもある。
また,心肺の一次性又は先天性疾患が認められず,かつ肝硬変の存在も認められないもの。

(3)除外すべき疾患

以下のような疾患は肺高血圧ひいては右室肥大,慢性肺性心を招来しうるので,これらを除外すること。

気道及び肺胞の空気通過を一次性に障害する疾患
慢性気管支炎・気管支喘息・肺気腫・各種の肺線維症ないし肺臓炎・肺肉芽腫症(サルコイドーシス・ベリリオーシス・ヒスチオサイトーシス・結核など)・膠原病・肺感染症・悪性腫 瘍・肺胞微石症・先天性嚢胞性疾患・肺切除後・高度のハイポキシア(高山病・その他)・上 気道の慢性閉塞性疾患
胸郭運動を一次性に障害する疾患
脊柱後側弯症・胸郭成形術後・胸膜ベンチ・慢性の神経筋疾患(ポリオなど)・肺胞低換気 を伴う肥満症・特発性肺胞低換気症
肺血管床を一次性に障害する疾患
肺血栓症・肺塞栓症・膠原病・各種の動脈炎・住血吸虫症・鎌状細胞貧血・縦隔疾患による 肺血管床の圧迫・肺静脈閉塞症(pulmonary veno‐ occlusive disease )
左心系を一次性に障害する疾患
各種弁膜症(ことに僧帽弁狭窄症)・左心不全
先天性心疾患 心房中隔欠損症・心室中隔欠損症・動脈管開存症・その他

(4)診断

以下の項目をすべて満たすこと。

新規申請時
(a) (1)主要症状及び臨床所見のの項目の3項目以上の所見を有すること。
(b) (2)検査所見の 肺血流スキャン,及び 右心カテーテル検査の所見を有し,の項目 で3 項目以上の条件を満たすこと。

(c)

(3)除外すべき疾患のすべてを鑑別できること。
更新時
(a) (1)主要症状及び臨床所見のの項目の3 項目以上の所見を有すること。
(b) (2)検査所見の 心エコーの所見を有し,の項目で2 項目以上の条件を満たすこと。

(c)

(3)除外すべき疾患のすべてを鑑別できること。

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