原発性胆汁性肝硬変】
(平成15年6月18日厚生労働省健康局疾病対策課長通知)
目次カ行一覧前へ次へ

 ◇原発性胆汁性肝硬変の診断基準

1.自覚症状

皮膚掻痒感で初発することが多い。黄疸は出現後消退することなく漸増することが多く,門脈圧 亢進症状(食道胃静脈瘤,腹水,肝性脳症)が高頻度に出現する。なお,皮膚掻痒感,黄疸など肝 障害に基づく自覚症状を欠く場合があり,無症候性原発性胆汁肝硬変(PBC )と呼び,無症候性の まま数年以上経過する場合がある。


2.血液・生化学検査所見

症候性、無症候性を問わず、,赤沈の亢進,血清中の胆道系酵素(アルカリホスファターゼ、γGTPなど),活性、総コレステロール濃度, IgM 濃度の上昇を認め、抗ミトコンドリア抗体(AMA )又は抗pyruvate dehydrogenase (PDH ) 抗体が高頻度に陽性である。


3.組織学的所見

肝組織では中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管に慢性非化膿性破壊性胆管炎(chronic non‐ suppurative destructive cholangitis ;CNSDC )あるいは胆管消失を認める。連続切片による検索で 診断率は向上する。


4.合併症

高脂血症が持続する場合に皮膚黄色腫を伴う。シェーグレン症候群,関節リウマチ,慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患を合併することがある。


5.鑑別診断

慢性薬剤起因性肝内胆汁うっ滞,肝内型原発性硬化性胆管炎,成人性肝内胆管減少症など。

〔診断の判定〕
次のいずれか1 つに該当するものをPBC と診断する。

(1) 組織学的にCNSDC を認め,検査所見がPBC として矛盾しないもの。
(2) AMAが陽性で,組織学的にはCNSDC の所見を認めないが,PBC に矛盾 しない(compatible)組織像を示すもの。
(3) 組織学的検索の機会はないが,AMAが陽性で,しかも臨床像及び経過か らPBC と考えられるもの。
 【特定疾患治療研究事業の対象範囲】
    無症候性PBCは特定疾患治療研究事業の対象外とする。

目次カ行一覧前へ次へ