表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型)
(平成15年6月18日厚生労働省健康局疾病対策室長通知)
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1.概念

先天性表皮水疱症は,主として先天的素因により,日常生活で外力の加わる部位に水疱が反復して生ずることを主な臨床症状とする一群の疾患である。本症は,遺伝形式,臨床症状ならびに電顕 所見に基づき30 以上の亜型に細分されるが,各亜型間に共通する特徴をまとめることにより,7 型,4 型,又は3 型に大別される(表1 ,1巻参照)。これらの分類法のうち,4 大病型,すなわち,
単純型,接合部型,優性栄養障害型,及び劣性栄養障害型
に分ける方法が最も普遍的であ る。
このうち,及びが特定疾患治療研究事業の対象疾患となっている。


2.病名診断(表皮水疱症であるか否かの診断)
(1) 主要事項
臨床的事項
(a) 軽微な機械的刺激により皮膚(ときには粘膜)に容易に水疱を生ずる。
(b) 原則として乳幼児期に発症し,長年月にわたり症状が持続する。
(c) 薬剤・感染・光線過敏・自己免疫・亜鉛欠乏・重症魚鱗癬・皮膚萎縮症による水疱症を 除外できる。
病理学的事項:
電顕検査又は表皮基底膜部抗原局在検査により,水疱形成の初発位置は表 皮内,接合部又は真皮内のいずれかに一定している。
(2) 判定:
(a)(b)(c)のすべてを満たし,かつを満たすものを表皮水疱症と診断する。

3.病型診断(表皮水疱症のうちどの病型であるかの診断)

電顕検査又は表皮基底膜部抗原局在検査により水疱初発位置を確定したのち,次のように病型診 断を行う。

(1) 水疱初発位置が表皮内の場合:単純型と診断する。
(2) 水疱初発位置が接合部の場合:接合部型と診断する。
(3) 水疱初発位置が真皮内である場合
家族内に患者が2 人以上発生している場合で,
(a) 患者が親子関係にあるものは優性栄養障害型と診断する。
(b) 患者が同胞関係にあるものは劣性栄養障害型と診断する。
家族内に患者が1 人のみ(孤発例)の場合で,
(a) 指間癒着や歯エナメル質形成不全が著しいものは劣性栄養障害型と診断する。
(b) 指間癒着や歯エナメル質形成不全が認められない場合,もしくは乳幼児のためこれらの 症状に関する判定が困難な場合は,
ア) 特定の施設に依頼して患者ならびに両親の血液DNA につき,型コラーゲン遺伝 子(COL7A1 )検査を実施する。その結果,型コラーゲン遺伝子(COL7A1 )の病的 変異が患児のみに認められ健常な両親に認められなかった場合は優性栄養障害型と診断 する。同遺伝子の病的変異が患児のみならず健常な両親にも認められた場合は劣性栄養障害型と診断する。
イ) 型コラーゲン遺伝子検査が実施できない場合は,患児の年齢が3 〜5 歳に達し,症状が完成するのを待ってから鑑別診断を行う。
   表: 先天性表皮水泡症の分類
                                                                          
    3大分類     4大分類      7大分類         33病型
単純型 単純型 優性単純型 Kobner型
Weber−Cockayne型
Dowling-Meara型
色素異常型
色素異常型を伴う疱疹状型
Ogna型
表在型
棘融解型
劣性単純型 筋ジストロフィー合併型
致死型
Kallin症候群
劣性疱疹状型
伴性劣性単純型 Mandes da Costa型
接合部型 接合部型 劣性接合部型 致死型(Herlitz)
軽症汎発性萎縮型
限局性萎縮型
反対性萎縮型
進行型
瘢痕性接合部型
PA−JEB症候群
優勢接合部型 Traupe−Belter-Kolde-Voss型
栄養障害型 優性栄養障害型 優性栄養障害型 Cockayne-Touraine型
Pasini型
前頸骨型
新生児一過性型
Bart
限局型
優性痒疹型
優性栄養障害型 優性栄養障害型 Hallopeau-Siemens型
反対型
限局型
求心型
強皮症型
劣性痒疹型


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