【劇症肝炎(難治性肝炎のうち劇症肝炎)
(平成15年6月18日厚生労働省健康局疾病対策課長通知)
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 【主要項目】

 (1)劇症肝炎とは,肝炎のうち症状発現後8 週以内に高度の肝機能障害に基
 づいて昏睡度以上 の肝性脳症をきたし,プロトロンビン時間40 %以下を示す
 ものとする。
 (2)肝性脳症の昏睡度分類は犬山分類(1972年)に基づく。(表1)
 【参考所見】

 (1)症状出現後10日以内に脳症が発現する急性型と、11日以降に発現する亜
 急性型がある。
 (2)成因分類は「難治性の肝疾患に関する研究班」の指針(2002年)に基づく。
 (表2)

肝性脳症の昏睡度分類(犬山分類,1972 年)

昏睡度 精神症状 参考事項
睡眠・覚醒リズムの逆転
多幸気分,ときに抑うつ状態
だらしなく,気にとめない態度
retrospective にしか判 定できない場合も多い
指南力(とき・場所)障害,物をとり 違える(confusion )
異常行動(例:お金をまく,化粧品を ゴミ箱に捨てるなど)
ときに傾眠状態(普通の呼びかけで開 眼し,会話ができる)
無礼な言動があったりするが,医師の 指示には従う態度をみせる
興奮状態がない
尿・便失禁がない
羽ばたき振戦あり
しばしば興奮状態,せん妄状態を伴い, 反抗的態度をみせる
嗜眠状態(ほとんど眠っている)
外的刺激で開眼しうるが,医師の指示 には従わない,又は従えない(簡単な 命令には応じる)
羽ばたき振戦あり
指南力障害は高度
昏睡(完全な意識の消失)
痛み刺激に反応する
刺激に対して,払いの ける動作,顔をしかめ る
深昏睡
痛み刺激に反応しない
 


 表2:劇症肝炎の成因分類

 T ウイルス性
   1) A型  IgM−HA抗体陽性
   2) B型  HBs抗原,IgM−HBc抗体,HBV−DNAの何れかが陽性
     ・急性感染 :肝炎発症前にHBs抗原陰性が判明している症例
     ・急性感染(疑):肝炎発現前後のウイルス指標は不明であるが、IgM−HBc抗体が陽性かつ
      HBc抗体が低力価(血清200倍希釈での測定が可能な場合は80%未満)の症例
     ・キャリア発症 :肝炎発症前からHBs抗原陽性が判明している症例
     ・キャリア発症(疑) :肝炎発症前後のウイルス指標は不明であるが、IgM−HBc抗体陰性な 
     いしHBc抗体が高力価(血清200倍希釈での測定が可能な場合は95%以上)の何れかを満た
     す症例
    ・判定不能 :B型で上記の何れをも満たさない症例
   3) C型  肝炎発症前はHCV抗体陰性で、経過中にHCV抗体ないしはHCV−RNAが陽性化し
     た症例あるいは肝炎発症前のHCV抗体は測定されていないが、HCVコア抗体が低力価で、H     CV−RNAが陽性の症例
   4) E型 HEV−RNA陽性
   5) その他(TTV,EBVなど)
 U 自己免疫性
   1) 確診 AIH基準を満たす症例又はステロイドで改善し、減量、中止後に再燃した症例
   2) 疑診 抗核抗体陽性またはIgG 2,000mg/dLでウイルス性、薬剤性の否定された症例
 V 薬物性 臨床経過またはD−LSTより薬物が特定された症例
 W 成因不明 十分な検査が実施されているが、T〜Vの何れにも属さない症例
 X 分類不能 十分な検査が実施されていない症例


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