【クローン病】
(平成15年6月18日厚生労働省健康局疾病対策課長通知)
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 ◇クローン病の診断基準

1.主要事項

(1)好発年齢

10 歳代後半から20 歳代

(2)病変部位

大多数は小腸や大腸又はその両者に縦走潰瘍,敷石像などの病変を有する。

(3)臨床症状

腹痛・下痢・体重減少・発熱など

(4)臨床所見

〔消化管病変〕

腸病変
(a) 縦走潰瘍(注1 )
(b) 敷石像(注2 )
(c) 腸管の狭小,狭窄
(d) 非連続性又は区域性病変(いわゆるskip lesion)
(e) 内瘻(腸―腸瘻,腸―膀胱瘻,直腸―腟瘻など)
(f) 外瘻(腸―皮膚瘻)
(g) 不整形潰瘍
(h) 多発アフタ(注3 )
肛門病変
(a) 難治性痔瘍
(b) 肛門周囲膿瘍
(c) 裂肛
(d) 潰瘍
(e) 肛門皮垂(skip tag )など
胃・十二指腸病変
(a) 多発アフタ
(b) 潰瘍
(c) 狭窄など
(d) 敷石像など

〔消化管外病変〕

血液 貧血,低蛋白血症
関節 腸性関節炎,強直性脊椎炎
皮膚 口内アフタ,結節性紅斑,壊死性膿皮症,多形滲出性紅斑など
虹彩炎,ぶどう膜炎など
栄養代謝 成長障害,微量元素欠乏,ビタミン欠乏(ビタミンB12 ,葉酸など),アミロイ ドーシスなど
悪性腫瘍 腸癌など
その他 原発性硬化性胆管炎

(5)病理学的所見

〔切除標本肉眼所見〕

縦走潰瘍(注1 )
敷石像(注2 )

〔切除標本組織所見〕

非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(局所リンパ節にもみられることがある)(注4 )
全層性炎症(注5 )
裂溝
潰瘍

〔生検組織所見〕

非乾酪性類上皮細胞肉芽腫(注4 )


(注1 ) 腸管の腸軸方向に4 〜5 B以上の長さを有する潰瘍で活動期潰瘍では,近傍に炎症性ポ リープや敷石像を伴うことが多い。虚血性大腸炎で縦走潰瘍を認めることがあるが,炎症 性ポリポーシスや敷石像を伴うことは稀である。潰瘍性大腸炎で縦走潰瘍を認めることが あるが,その周辺粘膜は潰瘍性大腸炎に特徴的な所見を呈する。
(注2 ) 縦走潰瘍とその周辺小潰瘍間の大小不同の密集した粘膜隆起であり,密在した炎症性ポ リポーシスもこれに含める。虚血性大腸炎の場合,肉眼標本上で浮腫や残存粘膜等が敷石 像類似の所見を呈することがあるが,その高さは低く,発赤調が強い。
(注3 ) クローン病では縦列することがある。
(注4 ) 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は腸結核でも認められることがある。
(注5 ) 主にリンパ球からなる集簇巣が消化管壁全層にみられるもの。

2.診断の基準

(1)主要所見

縦走潰瘍
敷石像
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫

(2)副所見

縦列する不整形潰瘍又はアフタ
上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍又はアフタ

確診例 主要所見の又はを有するもの(注6 ,7 )。
  主要所見のと副所見のいずれか1 つを有するもの。
     
疑診例 副所見のいずれかを有するもの(注8 )。
  主要所見ののみを有するもの(注9 )。
  主要所見の又はを有するが虚血性大腸炎,潰瘍性大腸炎と鑑別ができないもの。

(注6 ) 縦走潰瘍のみの場合,虚血性大腸炎や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。
(注7 ) 敷石像のみの場合,虚血性大腸炎を除外することが必要である。
(注8 ) 副所見のみで疑診とした場合は同所見が3 カ月恒存することが必要である。
(注9 ) 腸結核などの肉芽腫などを有する炎症性疾患を除外することが必要である。

3.病型分類

クローン病の病型は縦走潰瘍,敷石像又は狭窄の存在部位による(例:小腸型,小腸大腸型,大腸型,直腸型,胃・十二指腸型など)これらの所見を欠く場合は特殊型とする。特殊型には多発ア フタ型や盲腸虫垂限局型などがある。


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