【筋萎縮性側索硬化症
特定疾患治療研究事業における認定基準
(平成15年6月18日厚生労働省健康局疾病対策課長通知)
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 ◇筋萎縮性側索硬化症の診断基準

【主要項目】

1 以下の(1)−(4)の全てを満たすものを、筋萎縮性側策硬化症と診断する。

  (1) 成人発症である。
  (2) 経過は進行性である。
  (3) 神経所見・検査所見で、下記の1か2のいずれかを満たす。
     身体を a.脳神経領域、b.頸部・上肢領域、c.体幹領域(胸髄領域)、
     d.腰部・下肢領域の4領域に分ける
     (領域の分け方は、【参考事項】を参照。)
     下位運動ニューロン徴候は、(2)針筋電図所見((1)または(2))
      でも代用できる。
   1.1つ以上の領域に上位運動ニューロン徴候をみとめ、かつ2つ以上の
      領域に下位運動ニューロン症候がある。
   2.SOD1遺伝子変異など既知の家族性筋萎縮性側索硬化症に関与する
      遺伝子異常があり、身体の1領域以上に上位及び下位の運動
      ニューロン症候がある。
  (4) 下記の鑑別診断で挙げられた疾患のいずれでもない。

2 針筋電図所見
  
 (1) 進行性脱神経所見:腺維性収縮電位、陽性鋭波など。
 (2) 慢性脱神経所見:長持続時間、多相性電位、高振幅の
      大運動単位電位など。


3 鑑別診断
  (1) 脳幹・脊髄疾患:腫瘍、多発性硬化症、頚椎症、
      後縦靭帯骨化症など
  (2) 末梢神経疾患:多巣性運動ニューロパチー、
       遺伝性ニューロパチーなど
  (3)筋疾患:筋ジストロフィー、多発筋炎など
  (4)下位運動ニューロン障害のみを示す変性疾患:
                      脊髄性進行性筋萎縮症など
  (5)上位運動ニューロン障害のみを示す変性疾患:
                      原発性側索硬化症など。




4.参考事項

診断上次の事項が参考となる。

1 SOD1遺伝子異常以外にも遺伝性を示す例がある。
2 稀に初期から痴呆を伴う例がある。
3 感覚障害,眼球運動障害,膀胱直腸障害,小脳症候を欠く。ただし一部の例でこれらが認められることがある。
4 下肢から発症する場合は早期から下肢の腱反射が低下,消失することがある。
5 身体の領域の分け方と上位・下位ニューロン徴候は以下のようである。
a.脳神経領域 b.頚部・上肢領域 c.体幹領域(胸髄領域) d.腰部・下肢領域
上位運動ニューロン徴候 下顎反射亢進
口尖らし反射亢進
偽性球麻痺
強制泣き・笑い
上肢腱反射亢進
ホフマン反射亢進
上肢痙縮
萎縮筋の腱反射残存
腹壁皮膚反射消失
体幹部腱反射亢進
下肢腱反射亢進
下肢痙縮
バビンスキー徴候
萎縮筋の腱反射残存
下位運動ニューロン徴候
右記の部位に筋萎縮、筋力低下、繊維束性収縮
顎、顔面
舌、咽、咽喉
頚部、上肢帯、
上腕、前腕、
手、横隔膜
胸腹部、背部 腰帯、大腿、下肢、足

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